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肩外来

脱臼(バンカート損傷)

「腱板」とは、肩関節の奥にある筋肉(前から肩甲下筋、棘上筋、棘下筋、小円筋)の4つの腱があわさって上腕骨頭をおおっています※1)肩関節を安定させ、腕を挙げる際に重要な役割を果たしています。
上にある肩峰とぶつかって摩擦を受け炎症を起こしたり、無理な力が加わり断裂したりします。若い人ではスポーツで肩を使いすぎたり、高いところから落ちたりして大きな力が肩にかかった場合に断裂しますが、50歳以上では転んで手をついたり、ほんの少しの力で切れる場合もあります。50歳を過ぎたころから断裂することが多くなり、高齢になるとその頻度は増します※2 ※3

正常
腱板断裂

参考論文)

※1 高岸憲二:腱板断裂。神中整形外科学。岩本幸英編。南山堂。2013年。
※2 Yamamoto A, Takagishi K, Osawa T, Yanagawa T, Nakajima D, Shitara H, Kobayashi T.: Prevalence and risk factors of a rotator cuff tear in the general population. J Shoulder Elbow Surg. 2010 Jan;19(1):116-20.
※3 高岸 憲二:群馬大学整形外科学教室が行ってきた運動器検診 片品村における検診から得たエビデンス. The Kitakanto Medical Journal67: 121-127, 2017.

どういう症状?

腕を全く挙上できない方から、十分に挙上できる方まで様々です。典型的な症状は、肩の痛み以外に肩から上での作業で肩に力が入りにくい、肩が重だるいや痛いなど、肩を動かす際の引っかかり感、後ろのものを取るなど腕を捻った時の痛み、力の入りにくさ等です※1 ※2 ※4。五十肩(肩関節周囲炎)と似ていることもあり放置されている場合も多いです。夜の痛みが強くて寝れない方も多いです※4 ※5

参考論文)

※1 高岸憲二:腱板断裂。神中整形外科学。岩本幸英編。南山堂。2013年。
※2 Yamamoto A, Takagishi K, Osawa T, Yanagawa T, Nakajima D, Shitara H, Kobayashi T.: Prevalence and risk factors of a rotator cuff tear in the general population. J Shoulder Elbow Surg. 2010 Jan;19(1):116-20.
※4 高岸 憲二, 金古 琢哉:中高年の肩の障害について。日本医事新報.3891:26-30,1998.
※5 Nakajima D, Yamamoto A, Kobayashi T, Osawa T, Shitara H, Ichinose T, Takasawa E, Takagishi K.: The effects of rotator cuff tears, including shoulders without pain, on activities of daily living in the general population. J Orthop Sci. 2012 Mar;17(2):136-40.

検査は何をするの?

五十肩と診断され治療されていても、3ヶ月以上治らないようなら専門医を受診し、精査(超音波検査)※6やMRI検査(肩関節)※7を行った方が良いと考えます。

参考論文)

※6 Takagishi K, Makino K, Takahira N, Ikeda T, Tsuruno K, Itoman M.: Ultrasonography for diagnosis of rotator cuff tear. Skeletal Radiol. 25:221-4. 1996.
※7 鈴木 秀喜, 高岸 憲二:腱板断裂の画像診断。Orthopaedics 18巻22-27、2005.

・ 治療はどうするの?

①保存療法
消炎鎮痛剤の内服や、炎症を抑える注射、リハビリ(温熱療法のような物理療法での痛みの緩和、癒着防止、筋肉の再教育のための運動療法など)で、症状の改善を図ります。※1 ※4

②手術療法
保存的治療では十分に痛みが取れない場合やご自身が思うようなお仕事ができない場合には、年齢、腱の断裂の大きさや質などにより判断されますが、肩関節外来担当医師自身が過去に腱板断裂手術を受けた経験を併せて、アドバイスします。
時間がたって断裂が大きくなりますと完全に縫合することは困難となり、より大きな手術が必要になる場合もあります。

写真1にある腱板断裂部の模式図です

図1 写真1にある腱板断裂部の模式図です

写真2での縫合後の模式図です。特殊なネジ(アンカー)を用いて縫合しています。

図2 写真2での縫合後の模式図です。特殊なネジ(アンカー)を用いて縫合しています。

断裂部が洞穴のように見えています

写真1 断裂部が洞穴のように見えています

縫合する事で修復しています

写真2 縫合する事で修復しています

手術後のリハビリテーション:腱板断裂手術をした後はしばらく(断裂の大きさや断裂腱板の質や行った手術で期間は異なります。)は自分で肩を動かすことはできません。リハビリテーションスタッフによって肩を動かすリハビリテーションが大切です。
当院では腱板断裂に対して関節鏡視下に腱を修復する鏡視下腱板縫合術を行っています。また、高齢で関節鏡手術では十分に直すことができないと判断された場合には、新しい手術であるリバース型人工肩関節置換術手術を行っています。

参考論文)

※1 高岸憲二:腱板断裂。神中整形外科学。岩本幸英編。南山堂。2013年。
※4 高岸 憲二, 金古 琢哉:中高年の肩の障害について。日本医事新報.3891:26-30,1998.
※8 高岸憲二、小林 勉、山本敦史、設楽 仁, 中島 邦枝:『整形外科医が経験した整形外科手術、「腱板断裂」。「臨床整形外科」50巻 10号 pp. 998-1002、2015年
※9 Takagishi K. Yamamoto A. Shitara H., Ichinose T., Sasaki T., Hamano N.: Reverse Shoulder Arthroplasty. Pp253- 287 In Advances in shoulder surgery. Edited by K. Tmai, E. Itoi & K. Takagishi. Springer Japan  2016.

肩外来担当

高岸憲二
群馬大学名誉教授
日本整形外科スポーツ医学会元理事長
第30回日本肩関節学会会長
第12回国際肩・肘関節学会ICSES2013(International Congress on Shoulder and Elbow Surgery)会長
第35回日本整形外科スポーツ医学会会長

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